「自分で採点するところまではできた。ただ、次に何から直せばいいのかが分からない」
前回の記事で、自社Webサイト(dotbinary.co)を23項目・46点満点のGEO診断チェックリストで採点した記録を公開しました。2026年7月20日が8点、3週間後の8月10日が26点です。①から④までの40点満点で、18点動いた計算になります。
前回の記事
GEO診断チェックリストで自社Webサイトを採点したら8点でした。3週間後に26点へ伸びた内訳と、0点のままの項目を公開します
数字だけを見れば順調です。ただ、内訳を並べたときに、想定していなかった偏りが出ました。
18点のうち15点が、5つのカテゴリのうち2つに集中していたのです。 大きく動いたのは②コンテンツ構造(+10)と③権威性・差別化(+5)。一方で①技術基盤は+2、④AI検索での現在地は+1、⑤エンティティ信号は0点のままでした。
この偏りは、狙って作ったものではありません。採点した後、点数の低いところから順に手を付けていった結果、こうなりました。
そしてこの3週間で分かったのは、GEO対応でいちばん難しいのは採点そのものではなく、採点した後の判断だということです。この記事では、自分で進める道と外部に頼む道のどちらが向いているかを、この実測データを材料に整理します。
18点のうち15点は、たった1つの作業から生まれました
まず、3週間で動いた点数の内訳を再掲します。
| カテゴリ | 2026年7月20日 | 2026年8月10日 | 変化 |
|---|---|---|---|
| ① 技術基盤 | 5 / 10 | 7 / 10 | +2 |
| ② コンテンツ構造 | 0 / 10 | 10 / 10 | +10 |
| ③ 権威性・差別化 | 3 / 10 | 8 / 10 | +5 |
| ④ AI検索での現在地 | 0 / 10 | 1 / 10 | +1 |
| ①〜④の合計 | 8 / 40 | 26 / 40 | +18 |
| ⑤ エンティティ信号 | 未採点 | 0 / 6 | 初回は未採点 |
注目したいのは、②と③の合計15点が、ブログ記事を2本公開したという1つの作業から生まれていることです。項目の数で言えば11項目にまたがりますが、実際にやったことは1つです。
一方で、この3週間はrobots.txt(巡回プログラムへの案内板にあたるファイル)の修正や、構造化データ(ページの内容を決まった形式で機械向けに伝える記述)の整備にも時間を使っています。それでも①技術基盤は2点しか動いていません。
つまり、かけた時間の配分と、伸びた点数の配分は一致しませんでした。 これはGEO対応に限った話ではありませんが、採点表を目の前にすると忘れやすい点でもあります。
点数を上げる作業と、順番を決める判断は別のものです
採点表の使い方には、2つの段階があります。ひとつは「今が何点か」を出すこと。もうひとつは「次にどれを取りにいくか」を決めることです。
前者は、項目と基準さえ手元にあれば進められます。私たちが無料で配布している10項目は、ページを開いて見るだけでYES・NOを判定できるものだけを選んで抜き出したものです。
後者は性質が違います。判断の材料が、採点表の中ではなく外にあるためです。どの項目が数週間で動くのか。どの項目が年単位でしか動かないのか。どれを先に埋めておかないと、後の作業が無駄になるのか。こうした情報は、点数欄のどこにも書かれていません。
自社の採点結果を見たとき、次の一手を1つに絞れるでしょうか。絞れない場合、足りないのは採点そのものではなく、順番を決めるための材料だと考えられます。
点数だけでは判断しづらいことが3つあります
実測を続けながら気づいた、採点表からは読み取りにくい点を3つ挙げます。
1. 同じ0点でも、いま動く項目と動かない項目がある
④AI検索での現在地と⑤エンティティ信号は、合わせて16点満点で現在1点です。ただしこの2つは、自社Webサイトをどれだけ書き換えても直接は動きません。④はAIがWebサイトの変更を読み取り、そのブランドについての理解を作り直すまでに時間差があるためです。⑤は第三者が自社について語っているかどうかで決まるためです。点数の低さだけを見て真っ先に手を付けると、いま動かない場所に時間を使うことになります。
2. 1つの作業が複数の項目に効くことがある
②と③の15点は、記事を2本公開したという1つの作業から生まれました。項目単位では11項目分ですが、作業単位では1つです。逆に、①技術基盤に残っている項目は記事を書いても動かず、別の種類の手当てが要ります。項目を1つずつ潰していく計画と、作業単位でまとめる計画とでは、必要な時間がまるで違ってきます。
3. 同じ合計点でも、落としているカテゴリで次の一手が変わる
同じ26点のWebサイトが2つあったとして、①で落としている場合と③で落としている場合とでは、明日やることが逆になります。技術基盤が整っていない状態で記事を増やしても、読まれないページが増えることになります。かといって技術基盤だけを直しても、引用する理由がなければ選ばれません。合計点は現在地の目安にはなりますが、行き先までは示してくれません。
この3つは、複数のWebサイトを同じ基準で採点して比べた経験があると見えやすくなります。逆に、自社Webサイト1件だけを採点している段階では、その点数が何を意味するのかを比べる相手がいません。自己診断がいちばん止まりやすいのは、まさにこの場所です。
自分で進めた方が早い方もいらっしゃいます
ここまでお読みになって「では診断を頼むべきなのか」と感じられたかもしれませんが、そうとは限りません。次の3つが揃っている場合は、ご自身で進めた方が早いと考えています。
- 週に数時間、継続してWebサイトに手を入れる時間を確保できる
- 専門用語が出てきたときに、その都度調べるのが苦にならない
- WebサイトのHTMLを自分で編集できる、または身近な人にすぐ頼める
GEO対応の実務全体は、片手間で終わる作業ではありません。ただ、現在地を出して順に手を付けていくこと自体は、この条件が揃えば外部に頼まずとも進められます。自社Webサイトの8点から26点も、この手順で動かしたものです。
この場合は、無料の10項目で見当を付け、必要に応じて23項目のフル版へ広げるという進め方が現実的です。
診断を頼んだ方が近道になるのは判断材料が足りないときです
一方で、次のような場合は外部の目を入れた方が早く進みます。
- 採点は済んだが、次にどれから手を付けるかを1つに絞れない
- Webサイトの改修に予算を付ける必要があり、その前に優先順位の根拠がほしい
- 本業が忙しく、調べながら進める時間そのものが取れない
3つに共通しているのは、足りないのが作業時間ではなく判断材料だという点です。
ですので私たちは、診断を「作業の代行」ではなく「判断材料を揃えるもの」として設計しています。Webサイトを拝見して23項目を採点し、どのカテゴリで落としているか、どれが今動く項目でどれが後から動く項目かを、順番を付けてお渡しする形です。実際の改修はご自身で進めていただいても構いませんし、その方が費用は抑えられます。
無料の10項目で試して、詰まった時点で相談するのが現実的です
最後に、現実的な進め方を1つ提案します。
まず無料の10項目で現在地の見当を付けます。その時点で「次にどれをやるか」が1つに絞れていれば、そのままご自身で進めていただくのがいちばん早い方法です。絞れなければ、その段階でご相談ください。
この順番であれば、必要のない依頼を避けられますし、相談する場合も「どこで詰まったのか」がはっきりした状態から話を始められます。私たちとしても、白紙の状態からうかがうより、採点結果をお持ちいただいた方が具体的な提案ができます。
自社Webサイトの8点も、最初は「何が足りないのか分からない」という状態から始まりました。項目に当てはめた時点で、直す場所は見えます。順番で迷ったところが、ちょうど相談の入口になります。