「日本語で頼んだだけなのに、フォルダの中に見積書のひな形ができていた。AIはどういう仕組みで動いているのか」
このページでは、AIモデルとハーネスの関係、チャットで使うAIとAIエージェントの違い、AIを操作する場所を説明します。ハーネスとは、Claude Code や Codex のように、AIモデルにファイル操作やコマンドの実行をさせるソフトです。
- AIエージェントは、文章やプログラムを作るAIモデルと、AIモデルを実際の作業に使えるようにするハーネスの組み合わせで動きます。
- チャットで使うAIとAIエージェントの違いは、AIモデルの性能ではなく、ハーネスが使わせるツールと、ツールが動く場所です。
- AIモデルはどの場合もクラウドで動きます。PC、クラウド、スマホで変わるのは、AIエージェントがファイルを読み書きする場所です。
- AIを操作する場所は、扱うファイルがどこにあるかと、PCを閉じても作業を続けたいかで選んでください。
このページで出てくる言葉の意味は用語一覧で確認できます。
業務でどう使うか
- 見積書づくりで失敗したとき、原因がプロンプト(AIへの指示)と資料にあるか、ハーネスの設定にあるかを切り分ける
- 見積書や在庫表のように、実物のファイルとして残したい仕事を AIエージェントに任せる
- 社内のPCにだけ置いている資料を扱う仕事は、PCで動かす AIエージェントに任せる
- 外出先から、PCで動いている作業の方向をスマホで直す
- AIエージェントが触れてよいフォルダを決めずに、PC全体を開いて始める
- PCにだけ置いたファイルを、クラウドで動く AIエージェントが読める前提で頼む
- 送信、公開、支払い、削除のような外部に出る操作を、スマホから承認する
AIモデルとハーネスの関係
AIエージェントは、AIモデルとハーネスを組み合わせ、ツールを使い、結果を確かめながら作業を進めるAIです。中身は次の2段に分かれます。
AIモデルが「このファイルを読む」と決めると、ハーネスがそのファイルを読み、中身をAIモデルに渡します。ファイルを作る、Webページを取得する、といった実際の操作も、ハーネスが行います。
Anthropic の公式用語集は、Claude Code(Anthropic 社が提供するAIエージェント)をハーネス、Claude をその中で動くAIモデルと説明しています。Codex(OpenAI 社が提供するAIエージェント)も、ハーネスの例です。同じAIモデルでも、組み合わせるハーネスが違えば、AIエージェントができる作業が変わります。
AIモデルとハーネスは、次の3つの工程を行き来しながら作業を進めます。Anthropic の公式ドキュメントは、Claude Code の動き方をこの3つで説明しています。
質問に答えるだけなら、AIエージェントは最初の工程で終わります。ファイルの修正なら、3つの工程を何度も繰り返します。エージェントループとは、結果を確かめた後に最初の工程へ戻り、作業が終わるまで3つの工程を繰り返す動き方です。
AIエージェントに見積書を作らせて失敗したときは、原因を2つに分けて考えてください。金額や文面がずれているなら、プロンプトと渡した資料を見直します。ファイルの置き場所や書き換えた範囲がずれているなら、ハーネスの設定を見直します。分けて考えると、直す場所が分かるためです。
チャットとAIエージェントの違い
違いはAIモデルの性能ではなく、ハーネスがAIモデルに使わせるツールと、ツールが動く場所です。
チャットで使うAIにも、AIを提供する会社のサービス側にハーネスがあります。ただし、使えるツールは、サービスが用意したものに限られます。
チャットで答えるだけのAIと違い、AIエージェントはファイルを書き換え、コマンドを実行し、外部サービスに接続できます。
| 観点 | チャットで使うAI | AIエージェント |
|---|---|---|
| 使えるツール | Web検索、ファイル作成など、サービスが用意したもの | ファイルの読み書き、コマンドの実行、Webページの取得、外部サービスの操作 |
| 読める範囲 | 人がチャットに渡した文章、画像、ファイル | 開いたフォルダのファイルと、接続した外部サービス |
| 生成物の残り方 | 画面の文章か、人がダウンロードするファイル | 指定したフォルダに、実物のファイルとして残る |
| 人が決めること | 何を渡すか、生成物を誰が確かめるか | 同じことに加えて、触れてよいフォルダと、人に確認せずに使ってよいツール |
使えるツールが増えるほど、人が決めることも増えます。AIエージェントでは、触れてよいフォルダと、確認せずに使ってよいツールを先に決めてください。
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AIを操作する場所
Claude や ChatGPT で使われているAIモデルは、どの場所から操作しても、AIを提供する会社がインターネット上に用意したコンピューター(クラウド)で動きます。場所によって変わるのは、ハーネスが動き、ファイルを読み書きする場所です。
Claude Code をPCで動かす場合、PCで動くのはハーネスです。ハーネスは、プロンプトと読んだファイルの内容をクラウドのAIモデルに送り、返った結果をもとにPCで作業します。そのため、PCで動かす場合もインターネットへの接続が必要です。
次の表の『クラウド』は、Claude Code on the web を使う場合です。Claude Code on the web は、毎回クラウドに新しい環境を用意します。生成物は、GitHub に送るまで残りません。
『スマホ』は、Remote Control を使う場合です。セッションとは、AIとのチャットのやりとりのまとまりで、「新規」で始めてから終えるまでが1つです。Remote Control とは、自分のPCで動いている Claude Code のセッションを、claude.ai やスマホアプリから操作する機能です。
| 観点 | PC | クラウド | スマホ |
|---|---|---|---|
| AIエージェントが読めるもの | 開いたフォルダのファイルと、CLAUDE.md や .claude/settings.json などの設定 | GitHub のリポジトリから写したファイルと、プロンプトに添付したファイル | PCで動くセッションと同じ。スマホにファイルは移らない |
| PCを閉じたとき | 止まる | 作業が続く | 止まる |
| 気をつけること | 開いたフォルダの外や、ログイン済みのサービスにも操作が及びうる | 環境の設定欄に書いた値を、その環境を使う人全員が読める | スマホで押した承認は、PCの前で押した承認と同じ効果を持つ |
Remote Control では、作業の実行は常にPC側です。使うには、PCが次の状態になっている必要があります。
- PCが起動していて、スリープしていない
- PCがインターネットに接続されている
- Remote Control を有効にした Claude Code のセッションが、起動したままになっている
ターミナルを閉じる、VS Code を終了する、PCがスリープする、のいずれかで接続が切れます。スリープから復帰すると、自動で再接続します。画面ロック中に使えるかは、2026年9月時点で Anthropic の公式ドキュメントに記載がありません。外出の前に、画面ロックした状態で一度試してください。
- Remote Control は Pro、Max、Team、Enterprise で使えます。Team と Enterprise では、管理者が有効にするまで使えません。
- APIキーとは、プログラムからAIや外部サービスを呼び出すための認証用の文字列です。APIキーで Claude Code にログインした場合、Remote Control は使えません。
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セッションが見える範囲も、場所によって違います。
- claude.ai のチャット
- 同じアカウントなら、PC、Web、スマホアプリで同じセッションが表示されます。
- PCで動かす Claude Code のセッション
- Remote Control を有効にしない限り、claude.ai にもスマホアプリにも表示されません。
- クラウドで動かす Claude Code のセッション
- claude.ai/code とスマホアプリで見られます。
場所の選び方
場所は、扱うファイルがどこにあるかと、PCを閉じても作業を続けたいかで選びます。次の4点を順に確かめてください。
外出先で、PCの Claude Code に口コミへの返信の下書きを作らせ、スマホで読んで表現の直しを頼みます。投稿は取り消しにくいため、帰社後にPCの前で読み直してから行います。
スマホから承認してよい操作は、経営者が決めてください。GitHub 連携と Remote Control の設定は、外部の詳しい人に頼んでかまいません。頼むときは、使うリポジトリの名前と、スマホから承認してよい操作の一覧を渡してください。
まとめ
- 扱うファイルがPCのフォルダにあるか、GitHub にあるかを確かめ、AIを操作する場所を決める
- AIエージェントが触れてよいフォルダと、確認せずに使ってよいツールを決める
- スマホから承認してよい操作を一覧にし、外部に出る操作はPCの前で承認する